50代女子 20代で読んで良かった本「鬼平犯科帳」

50代女子 20代で読んで良かった本「鬼平犯科帳」

20代の頃、職場で出会った見た目も内面も素晴らしい後輩が、私の読書の世界を広げてくれました。
その後輩はいつも文庫本を持ち歩いていて、昼休みになると食後に机にページをめくっていました。
そんな彼女がある日、何気なく私にこう言ったんです。

「これ、読んでみませんか?すごく面白いんです。私も人からおすすめされて。」

その彼女が手にしていたのは、池波正太郎の『鬼平犯科帳』でした。
当時の私は歴史小説や時代劇にほとんど興味がなく、テレビドラマのイメージで「ちょっと古臭いかな?」と感じていました。
でも、あの素敵な後輩が勧める本。
彼女の魅力に惹かれて、「この美しい人が読む本なら」と好奇心に駆られ、私はその一冊を手に取ったのです。

池波正太郎との出会い

ページをめくると、そこには私が今まで知らなかった奥深い世界が広がっていました。
池波正太郎の『鬼平犯科帳』は、単なるチャンバラ時代劇ではなく、江戸時代の市井に生きる人々の喜びや苦しみ、そして生きるための知恵が繊細に描かれていたのです。

物語の中心となるのは、火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の長官、長谷川平蔵。通称「鬼平」。
彼は、過去に「本所の銕(てつ)」と呼ばれる無頼漢として恐れられた男でした。
しかし、その経験を活かし、犯罪者の心を見透かす鋭い洞察力を持ちながらも、人情味溢れる裁きを行う人物です。
この二面性を持つ平蔵のキャラクターに、私はすぐに心を奪われました。

平蔵は厳格でありながら、犯罪者にも温情を見せる場面が多くあります。
それは彼自身が若い頃に犯した過ちや、その苦労を知っているからこそ可能なことなのでしょう。
この深い理解と共感が、彼をただの強い武士以上に、人としての厚みを感じさせます。

長谷川平蔵の生い立ちとその魅力

池波正太郎の「鬼平犯科帳」の主人公、長谷川平蔵は、実在した人物をモデルにしています。
1745年に400石の旗本の長男として生まれた彼は、幼少期に「銕三郎(てつさぶろう)」と名付けられ、後に「宣以」と改名しました。そ
して、通称「鬼平」として知られるようになります。

平蔵は若い頃、「本所の銕(てつ)」として無頼漢たちと付き合いながら放蕩生活を送っていました。
彼の過去は決して清廉潔白なものではなく、むしろ街で恐れられる存在だったのです。
この二面性は物語の中心となるテーマにもつながっています。

30歳を迎えたとき、彼は父の死を機に家督を継ぎ、火付盗賊改方の長官となりました。
そこで彼が発揮したのは、かつての無頼漢としての経験を活かした洞察力でした。
犯罪者の心理や行動を熟知しているからこそ、彼の裁きには温情と人情が感じられるのです。

『鬼平犯科帳』では、彼の「正義」と「人情」のバランスが物語全体を通して描かれ、読者は平蔵の人物像に深く引き込まれていきます。
厳格な一面と、犯罪者にも共感を示す一面の両方を持つ彼は、現代の私たちにとっても「誰にでも善と悪が共存している」という人生の教訓を伝えてくれる存在です。

また、平蔵はその人間性を活かし、人足寄場(にんそくよせば)という施設を創設するなど、犯罪者たちを立ち直らせることに力を注ぎました。
この行動は、彼が単なる厳しい捜査官ではなく、心から社会を良くしようとする改革者でもあったことを物語っています。

剣客商売から学んだ「人間の本質」

『鬼平犯科帳』の世界にどっぷりと浸かっていく中で、次に手に取ったのが『剣客商売』でした。
池波正太郎の中で私が一番好きなこの作品です。
この作品の主人公は、老齢の剣術の達人、秋山小兵衛。
彼は、知恵と技を駆使して世の中を渡り歩きます。

老いてなお衰えないその姿に、若い頃の私にとって「老い」を恐れなくても良いというメッセージが込められていると感じました。

秋山小兵衛は、決して完璧な英雄ではありません。
しかし、彼は知恵や経験を最大限に活かし、問題を解決していく。
その姿は、私が現実で困難に直面したとき、人生の中で何度も励まされる存在となりました。
人間には誰しも弱さや欠点があることを受け入れつつ、前に進む姿は、人生をどのように生き抜くべきかを教えてくれます。

池波正太郎から学んだ「人生の教訓」

池波正太郎の作品を通じて私が学んだこと、それは「人生は善悪の単純な二分法ではない」ということです。
長谷川平蔵も秋山小兵衛も、人間の善と悪、強さと弱さを併せ持ち、それを認めながら生きていく姿が描かれています。
特に印象深いのは、彼らがその不完全さを受け入れつつ、それでも前に進むという姿勢です。

人生は白か黒かで割り切れないグレーゾーンが多く存在します。
この考え方は、私が若い頃に抱いていた単純な価値観を打ち壊し、より深く広い視野で物事を捉える力を育ててくれました。
池波正太郎の作品を通じて、挫折や失敗もまた人生の一部であり、そこから学び成長していくことの大切さを教えられました。

まとめ

池波正太郎の『鬼平犯科帳』と『剣客商売』は、私の人生に深い影響を与えてくれました。20代の頃、職場で出会った後輩から勧められたことで手に取ったこれらの作品は、単なる時代小説ではなく、人生の教訓に満ちたものでした。

長谷川平蔵や秋山小兵衛の生き様を通して、「人間は完璧ではない」「人生は単純に白黒つけられない時がある」といったことを学びました。
これらの教訓は、今でも私の人生の指針となっています。

もし、あなたも何か新しい視点を得たいと感じているなら、池波正太郎の作品に触れてみることをお勧めします。
20代の頃に読んだこれらの作品は、今の私にとっても、何度も読み返す価値があるものです。

しかもとても読みやすくてびっくりするはずです!

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はにゃみ
こんにちは!はにゃみです。 東京都内在住の50代女性で、アラフィフから始めたソロ活を楽しんでいます。このブログ「アラフィフのソロ活日記 はにゃみの自由な時間」では、50代からのソロ活動や自己成長をテーマに、豊かな人生を送るためのヒントをお届けしています。一人の時間を大切にし、カフェ巡りや映画鑑賞、ソロ旅行や趣味を通じて、心と体のリフレッシュを楽しんでいます。週3回のパート収入を上手に活用しながら、自分らしいライフスタイルを追求中。一緒に、自由で楽しいソロ活ライフを見つけてみませんか?