50代を迎えた私が、心から感動したおすすめの作品を3つご紹介します。
これらの物語は、読みやすさ、面白さ、登場人物の魅力はもちろんのこと、長い人生を擬似体験させてくれます。
主人公たちが歩む道のりには、喜びもあれば試練もあり、その一つひとつが私たち自身の人生と重なる瞬間があります。
読み終えた後には、これまでの自分の歩みを振り返りながら、これからの人生に向けて新たなエネルギーをもらえる、そんな作品ばかりです。
50代の私が選んだ心に響く3つの物語
私が感動し、人生をもう一度考えさせられた3つの作品をご紹介します。
それぞれが異なる時代や背景を舞台にしており、豊かな物語世界に引き込まれること間違いなしです。
大島真寿美『ピエタ』
2012年本屋大賞 第3位
ストーリー
『ピエタ』は18世紀のヴェネツィアを舞台にした、美しく切ない物語です。
『四季』で知られるイタリアの作曲家ヴィヴァルディとピエタと呼ばれる慈善施設を中心に、音楽と人々の運命が複雑に絡み合うストーリーが展開されます。
この施設は、孤児や捨て子の少女たちを受け入れ、彼女たちが音楽を学びながら育つ場でもありました。
物語の中では、ヴィヴァルディが遺した楽譜の謎が軸となり、過去と現在、音楽と人間ドラマが交錯していきます。
それぞれが運命の中で精一杯生きたことが人生の終盤で明らかになるのです。
この本を読んだきっかけ
私は本を読むことと並行して、Amazonオーディブル(耳読)を利用しています。
『ピエタ』は職場のオーディブル仲間の強い推薦があり、聴きたくなりました。
彼女の話では、小泉今日子さんがこの小説が大好きで、舞台まで作ったというのです。
小泉今日子さんの読書好きは知っていたし、素敵だな〜と思っていたので俄然興味が湧きました。
そしてベネツィアという場所も、私にとっては思い出の地であり、そこで紡がれる物語を聞きたいと思ったのでした。
舞台『ピエタ』
7月27日からの舞台公演に向けて、『ピエタ』の帯&拡材を作りました。小泉今日子さんのコメントと、演者の皆様の引き込まれるほど美しいお写真入りです! ぜひお近くの書店さんで見つけてくださいね。 pic.twitter.com/BArM6vdWaL
— 大島真寿美『ピエタ』&etc. (@pieta_poplar) May 26, 2023
舞台『ピエタ』は、約10年の構想期間を経て制作されました。
小泉今日子さんが2011年にこの小説を読んで以来、舞台化を強く望み、2015年に設立した「株式会社明後日」で制作が進められました。
そして、2023年7月27日、東京・本多劇場で開幕を迎えました。
小泉さん自身もエミーリア役で出演しました。
私はオーディブルで小泉さんの朗読を聴いたので、なんとなく舞台の雰囲気が想像できました。
小泉さんは「今だからこそ心に届く物語だと思う」と語っていますが、確かに私の心にも強く響くものがありました。
髙田郁『あきない世傳 金と銀』シリーズ
ストーリー
『あきない世傳 金と銀』シリーズは、江戸時代中期を舞台にしたにした商人の物語です。
主人公の幸(さち)は、学者の娘として生まれますが、9歳で大坂天満の呉服商「五鈴屋」に奉公に出されます。
当時、女は裏方の仕事しか許されていませんでした。
しかし、幸の持つ天性の才覚と努力、そして商売に対する誠実な姿勢が、やがて周囲の人々の心を動かしていきます。
貧しくても美しく賢く誠実な心を持った幸が、周りの人々に支えられてお店を大きくしていくまでのストーリーに飽きることはありません!
周りの人々を大切にする心に何度も泣かされます。
とにかく、一度読んだら止まらなくなりますので、大切にゆっくり読んでいただきたいです。
読んだきっかけ
高田郁さんの作品が大好きで、本、ドラマ、映画も全部観てきました。
『みをつくし料理帖』シリーズ、『銀二貫』も有名ですね。
NHKでドラマにもなる程でストーリーの素晴らしさがお分かりいただけると思います。
高田さんのお話は、弱いもの、真っ当な人に対する優しい眼差しが特徴です。
大ファンなので『あきない世傳 金と銀』も読んだわけです。
津村記久子『水車小屋のネネ』
2024年本屋大賞 第2位
ストーリー
『水車小屋のネネ』は、1981年から2021年までの40年間を描く物語です。
18歳の理佐と8歳の律の姉妹が、母親の身勝手な行動から逃れ、山間の町のそば屋で働き始めます。
そこで出会ったのが、おしゃべりなヨウムのネネです。
ネネは水車小屋で石臼の管理を手伝い、姉妹の生活を彩ります。
時代とともに変化する町と人々の関係、姉妹の成長、そしてネネとの絆が丁寧に描かれています。
周囲の人々の温かな支えを受けながら、姉妹は自立し、やがて町に溶け込んでいきます。
人と人とのささやかな助け合いと、それを通じた成長の物語です。
地味だけれど良い人ばかり登場するので、心が洗われます。
主人公の2人が困難な状況下でも不思議と悲観的になっていな所に強さを感じます。
姉妹はそれぞれに異なる性格と人生を歩みますが、時間とともにすれ違いや葛藤を乗り越えながら深い絆を育んでいきます。
物語に登場するヨウムのネネは、時には癒しを与え、時にはその存在自体が物語の転機となる重要なキャラクターです。
時代の移り変わりとともに、人々の関係性や生き方が変化していく様子が丁寧に描かれ、人生の豊かさについて改めて考えさせる作品です。
読んだきっかけ
『水車小屋のネネ』を読んだのは、この作品が2024年「本屋大賞」で第2位を受賞し、さらに第59回「谷崎潤一郎賞」を受賞したことを知ったからです。
これだけ多くの評価を受けた作品であれば、心を打つ物語が詰まっているに違いないと思い、すぐに読み始めました。
特に私は、本屋大賞に選ばれる作品が好き作品が多く、必ずチェックしていました。
この賞に加え、谷崎潤一郎賞という文学的価値が認められる賞を受けたことで、さらに読む前から期待が高まりました。
耳で楽しむオーディブルの魅力
忙しい毎日の中で、手を止めて本を読む時間が取れないこともありますよね。
そんな時におすすめなのが、Amazonオーディブルです。
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オーディブルのポイント
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違約金はかかりません。
解約後もアカウントを保持していれば、再開できます。
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まとめ
今回ご紹介した3つの作品は、私が最近読んで心に強く残った作品です。
それぞれが異なる背景やテーマを持ちながら、長い期間を描写した物語です。
主人公たちの人生の旅路には、喜びもあれば試練もあり、その一つひとつが私たち自身の人生とも重なる瞬間があります。
どの作品も、50代という人生の節目を迎えた私たちに、これまでの人生を振り返り、これからの人生をどう歩むべきかを考えさせてくれる貴重な機会を与えてくれます。