結婚

就職して4年で同じ歳の男性と結婚しました。共稼ぎです。
夫はメンタルが安定していて理想の結婚相手でした。仕事で落ち込んだり先輩にキツイことを言われても夫に話を聞いてもらうと安心できました。
夫の素晴らしいところは愛情深い両親に大切に育てられたので自己肯定感が強いことです。自信のない私にはそれが羨ましく、キラキラして見えたのです。
更に大学時代は家を出て、自分のことは自分でできるように生活力も鍛えられていました。
自分は自分。他人に迷惑をかけられそうになったらきちんと断ることもできる人でした。
私は気が進まなくても断ったら相手から悪く思われてしまうのではないかと考えて、嫌な人間関係でも続けてしまうタイプ。
嘘でもなんでも断る知恵が圧倒的に足りていませんでした。
気の進まない人たちと出掛けて疲れて帰宅すると、次は絶対に断ろうと決心しました。
夫にしてみれば断ることなんで全然悪くないことだし、自分が我慢する意味なんてないと繰り返し話してくれました。
何度も挑戦するうちに、出来る様になるものですね。気の乗らない集まりは断れるようになりました。
出産、そして退職
出産してそのまま退職しました。
娘は小さく産まれてきたので喜びを感じる余裕はありませんでした。申し訳ない気持ちで一杯になり、産院で他のママさん達と楽しく交流することが出来ませんでした。
母乳が出なかったのも大きな苦しみでした。
ミルクを作って哺乳瓶で与えてゲップさせる。やっと寝たと思って私はトイレに行き、歯を磨く。
食事も立ったままで流しは哺乳瓶とお皿の山。私も一緒に寝ても、30分で娘が泣き出す。そしてミルクです。
何時間も泣き続ける我が子を抱き続けて朝の5時に新聞配達のバイクの音が聞こえます。ああ、今夜も寝ることが出来なかったと、涙が止まりませんでした。
私の母は「みんながやっていること。あなたもやって当然だ」と言いました。
身体は既にボロボロですが、メンタルもかなりまずいことになってきました。
夫はもちろん早く帰ってきて買い物や洗濯、子供の世話も沢山してくれたのです。
でも夜だけは別室で寝て、仕事に差し障りがないようにしました。
今から思うと週末だけは夫にお願いして、私がしっかり睡眠を取るべきでした。
育児書には睡眠不足になる産後も、ホルモンが出るからお母さんは乗り越えられると書いてあり、投げ捨てたくなりました。
苦しいと言うことすら世間から非難されるような時代だったのです。
女は苦しくても大丈夫。寝なくても大丈夫。母性があるのだから子育て出来るはず。
今から思えば産後うつでした。メンタルを鍛えるどころの話では無くなってしまいました。
NHKサイカル 「知ってほしい“産後のうつ”~92人自殺の衝撃~」