早すぎた父の死
私の父がガンで52歳で亡くなったことが、私の人生観に大きな影響を与えたことは確かです。
「死は思っているより早く訪れる」
「やりたいことは後回しにしてはいけない」
「無理は禁物。身体が一番大切」
「早目に病院へ行く」
営業マンとしてトップセールスを何度も達成したと聞きました。身体を引きずって出勤する父を止めても病院へ行きませんでした。
仕事は休めないと思いこんでいた父。
ある日、父が咳き込んで止まらなくなりました。これは普通ではないと覚悟しました。
末期の十二指腸ガンと診断されました。
亡くなるまでの半年、私は就職したばかりであまりお見舞いにも行けませんでした。
出張の多い仕事で当時は通勤しやすい都内に住んでいましたが、部屋を引き払い、実家に帰ってきました。
通勤が片道2時間掛かるので、更に疲れてしまいました。
病院では死や人生について語ることはしませんでした。今から考えるとおかしなことですが、辛い現実を直視しないようにしていたのかもしれません。
私が見聞きした面白い話をしたのを覚えています。
話し上手で楽しい父がいなくなるなんて本当に信じられませんでした。
出張先で危篤の連絡が来て、泣きながら新幹線に飛び乗ったこともありました。
そして父は私と妹に何も語らないまま亡くなりました。
無理をしないで幸せになる
あれから30年近く経ち、私は父よりも歳をとりました。不思議な感じがします。
まだ気持ちがひよっこみたいなので。ぜんぜん一人前とは言えないのが残念です😅
こんな若さで死ぬのは無念だったろうと改めて思います。子供がやっと大学を出たところで死ぬなんて。
身体を大切にして、無理することなく、父の分まで幸せを体験してみようと決めたのでした。
